SDGs(持続可能な開発目標)の目標7は「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」です。クリーンエネルギーの普及や省エネの推進は、国や企業だけでなく、私たち個人にもできることがたくさんあります。
この記事では、SDGs目標7の達成に向けて個人が今日から実践できるエネルギーに関する取り組みを具体的に紹介します。

SDGs目標7の概要
SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、以下の内容を掲げています。
- すべての人が安価で信頼できるエネルギーにアクセスできるようにする
- 再生可能エネルギーの割合を大幅に増やす
- エネルギー効率を改善する
世界的に見ると、まだ電力を利用できない人が約6.7億人いるとされています。一方、先進国ではエネルギーの使いすぎによる環境負荷が課題となっています。
日本に住む私たちにとっては、クリーンエネルギーへの転換と省エネが特に重要なテーマです。
SDGs目標7は、クリーンエネルギーの普及とエネルギー効率の改善を目指すもの。日本では再エネの活用と省エネが個人レベルで取り組めるポイントです。
今日からできるエネルギーの省エネ行動
1. エアコンの温度設定を適切にする
冬の暖房時は室温20度、夏の冷房時は室温28度を目安にしましょう。エアコンの設定温度を1度変えるだけで、消費電力を約10%削減できるとされています。
2. LED照明に切り替える
白熱電球からLEDランプに交換するだけで、消費電力を約85%削減できます。LEDの寿命は白熱電球の約40倍で、交換頻度も大幅に減ります。
まだ白熱球や古い蛍光灯が残っている部屋があれば、そこから順に替えていくのが手っ取り早い一歩です。E26のような一般的な口金であれば、対応する製品も豊富に出ています。
3. こまめに電源を切る
使っていない家電のコンセントを抜くだけで、待機電力を削減できます。待機電力は家庭の電力消費の約5〜10%を占めているともいわれています。
4. 省エネ家電に買い替える
冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの主要家電は、10年前のモデルと比べて消費電力が20〜50%程度改善していることがあります。買い替え時には省エネ性能を重視して選ぶと、電気代の節約とCO2削減につながります。
5. 冷蔵庫の使い方を工夫する
冷蔵庫にものを詰め込みすぎないことで、冷却効率が上がり電力消費を抑えられます。設定温度も季節に合わせて「強」から「中」に切り替えるだけで省エネになります。

クリーンエネルギーを選ぶ
再エネ電力プランに切り替える
電力自由化により、個人でも電力会社を自由に選べるようになっています。再生可能エネルギー100%のプランを提供している電力会社もあり、切り替えるだけで使う電気をクリーンエネルギーに変えることができます。
太陽光発電を導入する
自宅の屋根にソーラーパネルを設置すれば、自分でクリーンエネルギーを生み出すことができます。電気代の節約にもなり、余った電力は売電することも可能です。初期費用が気になる場合は、PPA(電力購入契約)やリースの活用も選択肢になります。
蓄電池で太陽光発電の効果を最大化する
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、昼間に発電した電気を夜間にも使えるようになります。電力の自給率を高め、電力会社からの購入量を減らすことでCO2排出量を削減できます。
据置型の蓄電池は工事と費用のハードルがありますが、コンセントがそのまま使えるポータブル電源なら買ってきた日から使えます。日中に貯めて夜に使うという流れを小さく試してみたい方に向いています。
再エネ電力プランへの切り替えは、手続きが簡単で費用もほとんど変わらないことが多いです。すぐに始められるSDGsへの第一歩としておすすめです。
移動手段を工夫する
自家用車からのCO2排出量は世帯あたりで見ると全体の約20%を占めています。移動手段を見直すことも、エネルギーの使い方を変える大切なアクションです。
- 近距離の移動は自転車や徒歩を選ぶ
- 通勤や買い物には公共交通機関を利用する
- 車を使う場合はエコドライブを心がける
- 次の買い替え時には電気自動車(EV)やハイブリッド車を検討する
電気自動車を太陽光発電で充電すれば、走行時のCO2排出を実質ゼロにすることも可能です。V2H(Vehicle to Home)の導入で、車のバッテリーを家の蓄電池としても活用できます。

食とエネルギーの関係
食品の生産・加工・輸送には多くのエネルギーが使われています。食品ロスを減らすことも、間接的なエネルギー削減につながります。
- 必要な分だけ買い物をする
- 食材を使い切る工夫をする
- 地元の食材(地産地消)を選ぶことで輸送エネルギーを削減する
- 旬の食材を選ぶ(ハウス栽培に比べてエネルギー消費が少ない)
よくある質問(Q&A)
Q. 一人で取り組んでも意味がありますか?
もちろんあります。日本の家庭からのCO2排出量は全体の約15%を占めており、一人ひとりの行動の積み重ねが大きな効果を生みます。また、個人の行動が周囲に波及し、社会全体の意識変革につながることもあります。
Q. SDGs目標7に貢献している企業を応援するにはどうすればいいですか?
再エネに積極的な企業の商品やサービスを選ぶことが一つの方法です。また、ESG投資や再エネファンドへの投資を通じて、クリーンエネルギー企業を経済的に支援することもできます。
Q. 賃貸住宅でもできることはありますか?
太陽光パネルの設置は難しいかもしれませんが、再エネ電力プランへの切り替え、LED照明の使用、省エネ家電の活用、こまめな節電など、賃貸でもできることはたくさんあります。ベランダに設置できる小型のソーラーパネルもあります。
折りたたみタイプなら使わないときはしまっておけるので、原状回復が気になる賃貸住宅でも扱いやすいのが利点です。
まとめ
SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の達成には、一人ひとりの日常的なエネルギーの使い方が大きく影響します。
エアコンの温度設定やLEDへの切り替えといった省エネ行動、再エネ電力プランの選択、太陽光発電の導入など、今日から始められることはたくさんあります。小さな一歩の積み重ねが、持続可能な未来のエネルギー社会につながっていきます。

家庭の断熱対策でエネルギー消費を減らす
エネルギーの使い方を見直す上で、住まいの断熱性能を高めることも効果的な省エネ対策です。断熱性能が低い住宅では、冷暖房のエネルギーが窓や壁から逃げてしまい、電力の無駄遣いにつながります。
窓の断熱対策
住宅の熱の出入りの約50〜70%は窓を通じて行われるといわれています。二重窓の設置や断熱シートの貼り付けは、比較的手軽にできる対策です。賃貸住宅でも使える窓用断熱フィルムもあります。
遮熱カーテンの活用
夏場は遮熱カーテンで日差しを遮ることで、室内の温度上昇を抑え、冷房の消費電力を減らせます。冬場は厚手のカーテンで窓からの冷気を防ぐ効果があります。
断熱リフォーム
持ち家であれば、壁や床の断熱材の追加や窓の交換といった断熱リフォームが効果的です。自治体によっては省エネリフォームに対する補助金制度を設けているところもあるので、活用を検討してみてください。

水の使い方を見直す
水の供給にもエネルギーが使われていることをご存じでしょうか。浄水・送水・下水処理には多くの電力が必要です。水の節約はエネルギーの節約にもつながります。
- シャワーの時間を1分短縮する:年間約12Lのガスを節約
- 食器洗いはため洗いにする
- 洗濯はまとめ洗いで回数を減らす
- 節水シャワーヘッドに交換する:水量を30〜50%削減できるモデルもある
水を節約することは、間接的にエネルギーの節約にもなります。節水シャワーヘッドへの交換は、費用対効果が高い手軽な省エネ対策です。
取り付けは既存のヘッドを回して外し、付け替えるだけという製品がほとんどです。水圧を落とさない設計のものや、手元で止水できるスイッチ付きのものなど、選択肢は幅広くあります。
周囲への波及効果を意識する
個人の取り組みは、家族や友人、職場の同僚にも影響を与えます。自分が省エネやクリーンエネルギーを実践することで、周囲の人も環境意識を高めるきっかけになることがあります。
- 家族で省エネの目標を共有する
- SNSでエコな取り組みを発信する
- 職場で省エネの提案をする
- 地域の環境イベントに参加する
SDGsの達成は一人の力だけでは難しいですが、一人の行動が連鎖して大きなムーブメントになる可能性を秘めています。まずは自分から始めて、周囲にも広げていきましょう。

エネルギーに関するSDGsの数字で見る現状
SDGs目標7の達成状況を示すデータを紹介します。
- 日本のエネルギー自給率:約13%(先進国の中でも低い水準)
- 日本の再エネ電力比率:約20%台(政府目標は2030年に36〜38%)
- 世界の電力アクセス未達人口:約6.7億人
- 家庭部門のCO2排出量:日本全体の約15%
日本のエネルギー自給率は約13%と低水準であり、エネルギーの多くを海外からの輸入に頼っています。太陽光発電などの再エネを普及させることは、エネルギー安全保障の観点からも重要な課題です。
個人が再エネの導入や省エネに取り組むことは、これらの数値を改善する一助となります。「自分一人ではたかが知れている」と思うかもしれませんが、日本の約5,000万世帯が少しずつ行動すれば、その合計は国全体のエネルギー消費に大きなインパクトを与えます。
日本のエネルギー自給率は約13%。再エネの普及はエネルギーの安全保障の面からも重要です。個人レベルの省エネ・再エネ導入が、国全体のエネルギー自給率向上に貢献します。
参考リンク:



