新築やリフォームのタイミングで「オール電化とガス併用、どっちにすべき?」と迷う方はとても多いです。
結論から言うと、どちらが得かは世帯人数・ガスの種類・生活パターンによって変わります。一概にどちらが良いとは言い切れないからこそ、正しい比較情報を押さえることが大切です。
この記事では、光熱費のリアルな比較データから初期費用、メリット・デメリット、ライフスタイル別のおすすめまで、判断に必要な情報を網羅的に解説していきます。自分の暮らしにはどちらが合っているのか、この記事を読めばきっと答えが見つかるはずです。

オール電化とガス併用の基本的な違い
まずは両者の基本的な違いを整理しましょう。
| オール電化 | ガス併用 | |
|---|---|---|
| エネルギー源 | 電気のみ | 電気+ガス |
| 調理設備 | IHクッキングヒーター | ガスコンロ |
| 給湯設備 | エコキュート | ガス給湯器・エコジョーズ |
| 暖房設備 | 電気式床暖房・エアコン | ガスファンヒーター・床暖房 |
| 基本料金 | 電気のみ | 電気+ガスの2本 |
| 料金プラン | 時間帯別(深夜が安い) | 従量制が一般的 |
オール電化は深夜の割安な電力を活用してお湯を沸かすことでコストを抑える仕組みです。電力会社の時間帯別プラン(深夜は日中の約3分の1程度の料金)を最大限に活用するのが基本戦略になります。一方、ガス併用は時間帯を気にせず使えるシンプルさが強みです。
光熱費はどっちが安い?年間コストで比較
最も気になるのが光熱費の比較でしょう。世帯人数別のおおよその年間光熱費を比較します。
都市ガス地域の場合
| 世帯 | オール電化(年間) | ガス併用(年間) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1人暮らし | 約13万円 | 約12万円 | ガス併用が約1万円安い |
| 2人暮らし | 約17万円 | 約18万円 | ほぼ同等 |
| 3人家族 | 約19万円 | 約20万円 | ほぼ同等 |
| 4人家族 | 約20万円 | 約21万円 | ほぼ同等 |
都市ガス地域では、年間の光熱費はほぼ拮抗しています。1人暮らしではガス併用がやや有利ですが、2人以上の世帯ではオール電化がわずかに安くなる傾向が見られます。これはガス基本料金(月約1,000円)の有無が効いてくるためです。
プロパンガス地域の場合
プロパンガスは都市ガスの約1.5〜2倍の料金がかかります。そのため、プロパンガス地域ではオール電化の方が年間3万円〜5万円安くなるケースが多く見られます。月額に換算すると2,500円〜4,000円ほどの差が出るため、長期的に見ると大きな節約になります。
特にプロパンガスの料金は地域や販売店によって大きく異なるため、現在の光熱費が高いと感じている方は、オール電化への切り替えで大幅なコスト削減が見込めます。
比較を進める前に、いまの電気代の内訳を知っておくと判断材料が増えます。ワットチェッカーをコンセントに挟むだけで、家電ごとの消費電力をその場で数字として確認できます。

初期費用の比較
導入にかかる初期費用も大きな判断材料です。
初期費用の目安
- オール電化:約40万円〜90万円(エコキュート+IH+工事費)
- ガス併用:約20万円〜40万円(ガス給湯器+ガスコンロ+工事費)
オール電化はガス併用と比べて初期費用が約2倍ですが、プロパンガス地域ならランニングコストで差を取り戻せる可能性があります。
エコキュートの耐用年数は10〜15年程度で、交換時にも30万円〜60万円の費用がかかります。一方、ガス給湯器(エコジョーズ)の寿命も同じく10〜15年で、交換費用は15万円〜30万円程度です。長期的な設備更新コストも含めて20年・30年のスパンで試算してみることが大切です。
オール電化のメリット・デメリット
メリット
- ガス基本料金がなくなり光熱費を一本化できる
- 火を使わないため安全性が高い(特に高齢者やお子さんのいる家庭に安心)
- IHの掃除がラク(フラットなガラストップで汚れをサッと拭ける)
- 太陽光発電・蓄電池との相性がとても良い
- 災害時のガス漏れリスクがない
- エコキュートのタンク水を非常時の生活用水に使える
デメリット
- 初期費用がガス併用の約2倍
- 停電時にすべて止まる(蓄電池なしの場合)
- 電気代高騰の影響を直接受ける
- IH非対応の調理器具が使えない(土鍋・アルミ鍋・中華鍋など)
- エコキュートのお湯切れリスクがある
- 深夜のエコキュート稼働音が気になる場合がある
このうち「IHが自分に合うか」「手持ちの鍋がそのまま使えるか」は、卓上IHクッキングヒーターを1台買えば先に確かめられます。数千円台から手に入るので、判断材料としては手軽な部類です。
ガス併用のメリット・デメリット
メリット
- 初期費用が安い(オール電化の約半分)
- ガスコンロの火力で本格的な料理ができる
- 停電時でもガスコンロは使える(乾電池着火タイプの場合)
- 時間帯を気にせず使える料金体系
- 設備の交換費用がオール電化より安い
- 瞬間的にお湯が出る(タンク式ではない)
デメリット
- ガス+電気の基本料金が二重にかかる
- ガスコンロの火災リスクがある
- プロパンガス地域では光熱費が高くなりやすい
- ガスコンロの五徳の掃除が手間
- ガス漏れのリスクに注意が必要

ライフスタイル別おすすめ
オール電化がおすすめの人
- 太陽光発電の導入を予定している、またはすでに設置している人
- プロパンガス地域に住んでいる人
- 小さなお子さんや高齢者がいる家庭(安全性重視)
- 共働きで日中の在宅時間が短い家庭
- 掃除の手間を減らしたい人
- 新築を計画中の人(設計段階から組み込みやすい)
ガス併用がおすすめの人
- 料理にこだわりがあり、ガスの火力を使いたい人
- 都市ガス地域に住んでいる1人暮らしの人
- 初期費用をできるだけ抑えたい人
- 日中の在宅時間が長く太陽光の導入予定がない人
- 停電リスクに備えてエネルギー源を分散させたい人
- お風呂のお湯をたっぷり使う大家族(湯切れリスクを避けたい場合)
なお「エネルギー源を分散させたい」という理由でガス併用を選ぶ方も、停電そのものへの備えは別に用意しておくと安心です。ポータブル電源があれば、どちらの方式を選んでも照明やスマホの電源は確保できます。
太陽光発電があればオール電化がさらにお得に
近年の電気代高騰により、深夜電力の割安感が薄れてきているのは事実です。しかし、太陽光発電を組み合わせることで、オール電化の経済的メリットが大きく復活します。
日中は太陽光で自家消費し、余った電力は売電。蓄電池があれば夜間も太陽光由来の電気を使えるため、電力会社から買う電気を大幅に減らすことが可能です。太陽光発電と蓄電池の導入費用は年々下がっており、初期投資の回収期間も短くなっています。
太陽光発電と蓄電池のセット費用については以下の記事で詳しく解説しています。
よくある質問(Q&A)
Q. オール電化にすると電気の契約アンペアを上げる必要がありますか?
IHやエコキュートは200Vの電源を使うため、電気の契約容量を上げる必要がある場合があります。一般的には10kVA(100A相当)以上の契約が推奨されます。事前に電力会社や施工業者に確認しましょう。
Q. ガス併用からオール電化への切り替えは大変ですか?
工事自体は通常1〜3日で完了します。エコキュートとIHの設置工事、200V配線工事、ガスの閉栓手続きが主な作業です。ガス管の撤去は不要で、閉栓するだけなので手間は少なめです。
Q. オール電化とガス併用、光熱費シミュレーションはできますか?
多くの電力会社やメーカーのウェブサイトで、現在の光熱費を入力するとオール電化にした場合の試算ができるシミュレーターが提供されています。複数のシミュレーターで試算し、比較してみることをおすすめします。
Q. 将来的にオール電化に切り替えることを見越して、新築時に準備しておくことはありますか?
200Vの配線を事前に引いておくことと、エコキュートの設置スペース(幅約1m×奥行約40cm程度)を確保しておくと、将来の切り替えがスムーズになります。
まとめ:自分のライフスタイルに合った選択をしよう
オール電化とガス併用、どちらが得かは一概に言えません。ガスの種類(都市ガスかプロパンか)、世帯人数、在宅時間、太陽光発電の有無によって最適解は変わります。
ただし、太陽光発電や蓄電池の導入を予定しているのであれば、オール電化との相性はとても良いです。光熱費の削減効果を最大化するなら、太陽光+蓄電池+オール電化のトリプルセットが今もっとも注目されている組み合わせです。
まずは複数の業者から見積もりを取って、自分の家にとって最適な選択肢を見極めましょう。
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(参考:楽天エナジー「オール電化とガス併用」、HTBエナジー「オール電化とガス併用比較」、Looopでんき「オール電化とガス併用」)



