「FITの買取期間が終わるんだけど、これからどうすればいいの?」と悩んでいる方は、2026年もかなり多いのではないでしょうか。2019年に「2019年問題」として話題になった卒FIT問題ですが、今も毎年多くの家庭が卒FITを迎えています。
結論から言うと、卒FIT後の選択肢は主に5つあります。それぞれのメリット・デメリットを比較して、自分に合った対策を見つけましょう。

そもそも卒FITとは?
FIT(固定価格買取制度)は、太陽光発電で作った電気を一定期間、固定価格で電力会社に売れる制度です。住宅用(10kW未満)の場合は10年間が買取期間として定められています。
この10年が終了することを「卒FIT」と呼んでいますが、卒FIT後は固定価格での買取がなくなります。何もしなければ、各電力会社が設定する買取価格(だいたい7〜9円/kWh程度)で自動的に売電が継続されますが、FIT期間中の買取価格(例えば48円や42円)と比べると大幅に下がります。
卒FIT後の5つの対策
対策1:蓄電池を導入して自家消費する
卒FIT後の最もおすすめな対策がこれです。蓄電池を導入して、日中に発電した電気を貯めて夜間に使います。これにより、電気の自給自足率を大幅に高められます。
メリット
- 電気代を大幅に削減できる(月5,000〜1万円程度の節約も)
- 停電時のバックアップ電源になる
- 電気料金の値上がりリスクをヘッジできる
デメリット
- 蓄電池の導入費用が100万〜200万円程度かかる
- 蓄電池自体の寿命が15〜20年
2026年は蓄電池の価格も下がってきていて、補助金も充実しているため、卒FITのタイミングで蓄電池を入れる方はかなり増えています。
対策2:新電力に売電先を切り替える
大手電力会社の買取価格は7〜9円/kWh程度ですが、新電力会社の中にはもっと高い価格で買い取ってくれるところがあります。2026年時点では9〜12円/kWh程度で買い取ってくれる新電力も存在します。
メリット
- 追加投資なしで売電収入を増やせる
- 切り替え手続きが比較的簡単
デメリット
- FIT期間中と比べると売電収入は大幅に減る
- 新電力の経営状況によっては撤退リスクがある
最新の買取価格は各電力会社のサイトで確認できますし、資源エネルギー庁のサイトでも卒FIT関連の情報が公開されています。
対策3:電気自動車(EV)に充電する
EVを持っている方や、これから購入を検討している方には、太陽光の余剰電力でEVを充電するのも有力な選択肢です。ガソリン代の節約になりますし、V2H(Vehicle to Home)システムを使えば、EVのバッテリーを家庭用蓄電池としても活用できます。
メリット
- ガソリン代を大幅に削減
- V2Hなら蓄電池代わりにもなる
- CO2削減にも貢献
デメリット
- EV自体の購入費用が高い
- V2Hシステムの導入費用が50万〜100万円

対策4:エコキュートの稼働時間をシフトする
深夜電力でお湯を沸かしているエコキュートを、日中の太陽光発電の時間帯に稼働するようにシフトする方法です。これにより、安い売電よりも高い深夜電力の削減に充てられるため、実質的にお得になります。
メリット
- 追加投資がほぼ不要(設定変更だけ)
- すぐに実行できる
デメリット
- 節約効果は月数百〜数千円程度
- 太陽光の発電量が少ない日は効果が薄い
対策5:そのまま売電を継続する
「特に何もしたくない」という方は、そのまま売電を継続するのもアリです。買取価格は下がりますが、発電した電気が無駄になるわけではありません。ただし、売電収入は月1,000〜3,000円程度になるケースが多いです。
結局、どの対策がベスト?
家庭の状況によっておすすめの対策は変わりますが、2026年の状況を踏まえると、以下のような判断基準になります。
| 状況 | おすすめの対策 |
|---|---|
| 電気代が高い+予算あり | 蓄電池の導入 |
| EVを持っている | EV充電+V2H |
| 追加投資したくない | 新電力への切り替え+エコキュートシフト |
| パネルが老朽化 | パネル更新+蓄電池セット導入 |
卒FIT後にやるべき手続き
1. 現在の契約内容を確認
FITの買取期間終了日を確認しましょう。通常、期間終了の数ヶ月前に電力会社から通知が届きます。届かない場合は自分から問い合わせておきましょう。
2. 売電先の切り替え手続き
新電力に切り替える場合は、新しい売電先の会社に申し込めばOKです。手続きは新電力側がやってくれるので、特に難しいことはありません。
3. 蓄電池の導入検討
蓄電池を導入する場合は、FIT期間終了の半年〜1年前くらいから検討を始めるのがベストです。補助金の申請や工事のスケジュールを考えると、早めに動いた方がよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 卒FIT後、何もしないとどうなる?
A. 電力会社の低い買取価格(7〜9円/kWh程度)で自動的に売電が継続されます。売電自体が止まるわけではないので安心してください。ただし、もっとお得な選択肢があるなら切り替えた方がよいでしょう。
Q. 蓄電池の補助金は卒FIT世帯も使える?
A. 使えます。むしろ卒FIT世帯を対象にした蓄電池補助金もあるので、自治体の制度をチェックしましょう。環境共創イニシアチブ(SII)のサイトでも補助金情報が確認できます。
Q. 卒FIT後に太陽光パネルを撤去する人もいる?
A. ほとんどいません。パネルはまだ発電できるため、自家消費に切り替えた方が経済的にメリットがあります。撤去するのは、パネルが老朽化して使えなくなった場合くらいです。
Q. 新電力の買取価格はどこが高い?
A. 買取価格は頻繁に変わるため、最新の情報を比較サイトなどでチェックするのがおすすめです。ポイント還元や環境価値の付加サービスを含めたトータルで比較するのが賢い選び方です。

卒FIT対策で押さえておきたい実践コツ
FIT終了のタイミングを正確に把握する
意外と多いのが、FIT終了日を正確に把握していないというケースです。終了日は「設備認定日」から10年間(住宅用の場合)なので、電力会社からの通知だけでなく、自分でも認定日を確認しておきましょう。認定日は再エネ電子申請サイトで確認できます。
蓄電池の導入は補助金のタイミングに合わせる
蓄電池は高額な買い物ですが、国や自治体の補助金を活用することで大幅にコストダウンできます。補助金の公募時期は年度によって異なるため、FIT終了の半年〜1年前から情報収集を始めておくのがおすすめです。

新電力への切り替えは手続き簡単
卒FIT後に売電先を変更する場合、新しい電力会社に申し込むだけで基本的に自動で切り替えが行われます。現在の電力会社への解約連絡も新電力側が対応してくれることがほとんどなので、手間はかかりません。ただし、切り替えには2〜4週間ほどかかることがあります。
- FIT終了日の確認は再エネ電子申請サイトが確実
- 蓄電池の補助金は先着順が多い。早めの情報収集を
- 新電力への売電先変更は手続き簡単。トータルで比較しよう
- 蓄電池と太陽光の同時導入がセット割引になるメーカーもある
Q. 卒FIT後、太陽光パネルの寿命は大丈夫?
太陽光パネルの寿命は25〜30年程度とされており、FIT期間の10年が終わってもまだまだ現役です。むしろ卒FIT後のほうが長いので、自家消費中心の使い方でしっかり活用しましょう。ただし、パワーコンディショナーは15〜20年で交換が必要になることが多いので、交換費用(20万〜40万円程度)の準備もしておきましょう。
Q. 卒FIT後、何もしなかったら電気は捨てられるの?
いいえ、何もしなくても電気が捨てられるわけではありません。FIT期間が終了すると、電力会社が自動的に低い価格(7〜9円/kWh程度)で買い取ってくれます。ただし売電収入は大幅に下がるので、より有利な選択肢がないか検討する価値はあります。



