太陽光発電の売電価格、今はいくらなの?
「売電価格って昔と比べてどうなった?」「太陽光ってまだお得なの?」――太陽光発電を検討している方にとって、売電価格は導入を決める大きな判断材料です。
この記事では、最新の売電価格と、FIT期間中・卒FIT後それぞれの活用方法を詳しく解説します。
FIT売電価格の最新情報
FIT(固定価格買取制度)の売電価格は、住宅用(10kW未満)で大きな制度変更が行われました。従来の「10年間一律○円」という形式から、初期投資支援スキームという新しい仕組みに移行しています。
| 区分 | 売電価格 | 買取期間 |
|---|---|---|
| 10kW未満(住宅用) | 最初の4年間:24円/kWh 残り6年間:8.3円/kWh |
10年間 |
| 10kW以上50kW未満 | 10〜11円/kWh程度 | 20年間 |
| 50kW以上 | 入札制 | 20年間 |
住宅用の新制度では、最初の4年間を24円/kWhで手厚く買い取り、設備投資の早期回収を支援する仕組みになっています。従来の一律16円から大幅に変わったので、導入を検討中の方は要チェックです。
※正確な買取価格は資源エネルギー庁のFIT制度ページで確認してください。
FIT売電価格はどう推移してきた?
| 年度 | 10kW未満(住宅用) | 10kW以上 |
|---|---|---|
| 2012 | 42円 | 40円 |
| 2014 | 37円 | 32円 |
| 2016 | 31円 | 24円 |
| 2018 | 26円 | 18円 |
| 2020 | 21円 | 13円 |
| 2022 | 17円 | 11円 |
| 2024 | 16円 | 10円 |
| 2026 | 24円/8.3円(初期投資支援) | 10〜11円程度 |
2012年の42円からずいぶん変わりましたが、「売電価格が下がった=損」というわけではありません。その理由を解説します。
売電価格が下がっても太陽光発電がお得な3つの理由
理由1:パネルの価格が大幅に下がった
売電価格は下がりましたが、パネル価格も同じく大幅に下落しています。kW単価で見ると、2012年頃はおよそ50万円だったものが、現在は20〜25万円ほどまで下がっています。費用対効果で考えると、今のほうが有利なケースも多いのです。
理由2:電気料金が大幅に上昇した
2012年頃の電気料金は20円/kWh台でしたが、現在は30〜35円/kWh前後まで上昇しています。つまり、発電した電気を売るより自分で使うほうが経済メリットが大きい状況になっています。
理由3:「自家消費」の時代へ完全移行
太陽光発電は「売電で稼ぐ」から「自家消費で電気代を削減する」時代に完全に移行しました。売電するよりも、自宅で消費して電気代を浮かせるほうが経済効果は高くなっています。
| 項目 | 2012年頃 | 現在 |
|---|---|---|
| パネル価格(kW単価) | 約50万円 | 約20〜25万円 |
| 電気料金 | 約20〜22円/kWh | 約30〜35円/kWh |
| 売電価格(住宅用) | 42円/kWh | 24円→8.3円/kWh |
| 主な運用方法 | 売電重視 | 自家消費重視 |
卒FIT後の売電価格はどうなる?
FIT期間(住宅用で10年間)が終了すると、売電価格は大幅に下がります。
卒FIT後の一般的な買取価格
卒FIT後の売電価格は7〜12円/kWh程度が一般的です。FIT期間中と比べると大きく下がるため、卒FIT後の電力の使い方を事前に考えておくことが大切です。
卒FIT後の4つの選択肢
選択肢1:電力会社の卒FIT買取プランを利用する
大手電力会社や新電力各社が卒FIT電力の買取プランを用意しています。買取価格は会社によって7〜12円/kWhと差があるため、比較して選びましょう。
選択肢2:蓄電池を導入して自家消費率を上げる
余剰電力を蓄電池に貯めて夜間に使えば、電気の自給率が大幅にアップします。売電するより自家消費するほうがお得です。
選択肢3:EVの充電に活用する
電気自動車を持っている方は、余剰電力をEVの充電に回すことで燃料費を大幅に節約できます。
選択肢4:エコキュートの沸き上げ時間を日中に変更する
エコキュートの沸き上げを夜間から日中に変更すれば、太陽光の余剰電力を有効活用できます。
売電収入を最大化するためにできること
FIT期間中にやるべきこと
- 発電量の最大化:パネルの向き・角度の最適化、定期的なメンテナンス
- 損失の最小化:パネルの汚れ除去、影の影響を排除
- パワコンの効率維持:定期点検で変換効率を最適な状態に保つ
卒FIT後に意識すること
- 自家消費率の向上:蓄電池の導入が最も効果的
- 買取価格の高い電力会社を選ぶ:各社の卒FIT買取プランを比較検討
- 電力の使用パターンを見直す:日中に多く電気を使うよう生活リズムを調整
FIPとは?FITの次の制度を知っておこう
FIT制度に代わる新しい制度として、FIP(フィード・イン・プレミアム)制度が導入されています。
FIPは市場価格にプレミアム(上乗せ額)を加えた価格で売電する仕組みです。電力の市場価格が高いタイミングに合わせて売ることで、収益性を高められるのが特徴です。
ただし、FIPは主に50kW以上の産業用設備が対象で、一般的な住宅用は引き続きFITが適用されます。
よくある質問(Q&A)
Q. 売電価格が下がったから、今から太陽光を導入しても損?
A. そうとは限りません。パネル価格の低下と電気料金の上昇により、自家消費を前提にすれば経済メリットは依然として大きいです。初期投資支援スキームの導入で、最初の4年間は24円/kWhと手厚い買取が受けられます。
Q. 卒FIT後はどうすればいい?
A. 蓄電池を導入して自家消費率を上げるのが最も効果的です。蓄電池がない場合は、買取価格の高い電力会社を探して乗り換えることを検討しましょう。
Q. FIPと FITの違いは?
A. FITは固定価格で一定期間買い取る制度、FIPは市場価格+プレミアムで売電する制度です。住宅用太陽光は基本的にFITが適用されるため、一般の方はFITの情報を確認すれば十分です。
Q. 売電開始までにどれくらいかかる?
A. パネルの設置工事自体は数日ですが、電力会社への連系申請なども含めると、契約から売電開始まで1〜3ヶ月ほどかかるのが一般的です。
FIT認定の申請には期限があります。制度の変更や申請の締め切りについては、資源エネルギー庁の公式ページで必ず最新情報を確認してください。
売電収入を賢く活用するための実践コツ
売電収入の使い道を事前に計画しておく
FIT期間中の売電収入は、設備投資の回収資金として計画的に管理するのがおすすめです。売電収入を生活費に回してしまうと、パワコンの交換費用(15〜20年後に発生)が捻出できなくなることがあります。売電収入の一部を「太陽光メンテナンス積立」として別管理しておくと安心です。
モニタリングシステムで発電量をチェック
多くの太陽光発電システムには発電量のモニタリング機能がついています。月ごとの発電量を記録しておくことで、異常な発電量の低下に早めに気づけます。前年同月比で10%以上の低下があった場合は、パネルの汚れや機器の不具合を疑いましょう。

- 売電収入は将来のメンテナンス費用のために一部を積立てておく
- モニタリングで発電量を毎月チェック。前年比10%減は要注意
- 基盤スキーム制度の詳細は変更の可能性があるため、公式情報で最新を確認
まとめ:売電価格は変わったが太陽光発電の経済メリットは健在
- 住宅用FITは初期投資支援スキーム(最初4年間24円、残り6年間8.3円)に変更
- パネル価格の低下と電気料金の上昇で、自家消費のメリットはこれまでで一番大きい
- 卒FIT後は蓄電池で自家消費率を上げるのがベスト
- 電力会社の卒FIT買取プランを比較して最適な選択を
太陽光発電の売電制度については資源エネルギー庁の再生可能エネルギーページで最新情報を確認しましょう。環境面のメリットについては環境省のサイトも参考になります。
※記事執筆時点での情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。



