「蓄電池を使って深夜の安い電気を貯めて昼間に使えば、電気代が安くなるって本当?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、深夜電力と蓄電池の組み合わせは電気代の節約に効果的です。深夜電力の料金は昼間の3〜6割安く設定されているため、安い時間帯に充電して高い時間帯に放電するだけで、電気代の差額分がお得になります。
この記事では、蓄電池の深夜電力活用の仕組みや具体的な設定方法、節約効果を最大化するコツまで解説します。

深夜電力(夜間電力)とは?
深夜電力とは、電力需要が少ない夜間の時間帯に適用される割安な電気料金のことです。電力会社の料金プランによって「夜間電力」「夜トクプラン」「おトクナイト」などさまざまな名称で提供されています。
時間帯別料金プランの一般的な構成
| 時間帯 | 一般的な時間 | 料金水準(目安) |
|---|---|---|
| 夜間(深夜電力) | 23時〜7時 | 約15〜22円/kWh |
| 昼間(ピーク時間帯) | 7時〜23時 | 約30〜45円/kWh |
夜間と昼間の料金差は1kWhあたり約10〜25円あります。この差額を蓄電池で活用するのが深夜電力活用の基本的な考え方です。
料金プランの時間帯や単価は電力会社によって異なります。契約中のプランの詳細は、電力会社のマイページや請求書で確認してください。ここで紹介している料金は一般的な目安です。
蓄電池で深夜電力を活用する仕組み
蓄電池による深夜電力活用の仕組みはシンプルです。
基本サイクル
- 夜間(23時〜7時):安い深夜電力で蓄電池を充電する
- 朝〜夕方(7時〜17時):蓄電池に貯めた電気を使う(太陽光がある家庭は日中は太陽光優先)
- 夕方〜夜(17時〜23時):蓄電池の残量で生活し、23時から再び充電
太陽光発電がある家庭では、日中は太陽光で発電した電気を優先的に使い、余った電力は蓄電池に充電します。夕方以降は蓄電池から放電し、深夜に再び安い電力で充電するというサイクルになります。
蓄電池の深夜電力モード設定方法
蓄電池で深夜電力を活用するには、「グリッドチャージ」(系統充電)機能を有効にする必要があります。設定方法はメーカーによって異なりますが、基本的な流れは共通しています。
ステップ1:運転モードの選択
蓄電池の運転モードを「経済モード」や「グリーンモード」に設定します。メーカーによって名称は異なりますが、電気代の節約を優先するモードを選びましょう。
| メーカー | モード名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| シャープ | 経済性モード | COCORO ENERGYと連携してAI制御可能 |
| パナソニック | 経済優先モード | 時間帯別充放電を自動制御 |
| オムロン | 経済モード | 深夜充電・昼間放電を最適化 |
| ニチコン | グリーンモード | 太陽光と深夜電力の併用に対応 |
ステップ2:充電時間帯の設定
グリッドチャージの充電時間帯を、契約している電力プランの夜間割引時間帯に合わせます。一般的には23時〜7時または22時〜8時が深夜電力の時間帯です。
蓄電池のリモコンや専用アプリから、充電開始時刻と終了時刻を入力します。
ステップ3:充電上限の設定
蓄電池の寿命を延ばすために、充電上限を80〜90%に設定することをおすすめします。ほとんどの蓄電池にはこの上限設定機能が搭載されています。
ステップ4:放電開始時刻の設定
電気料金が高くなる時間帯(一般的に7時以降)に放電が始まるように設定します。太陽光発電がある場合は、太陽光の発電量が少なくなる夕方以降に放電が始まるように調整するのが効率的です。

深夜電力活用でどのくらい電気代が安くなる?
深夜電力と蓄電池の組み合わせによる節約効果を、具体的な数字で見てみましょう。
節約シミュレーション(7kWh蓄電池の場合)
| 条件 | 深夜充電なし | 深夜充電あり |
|---|---|---|
| 昼間の電力購入 | 7kWh × 35円 = 245円/日 | 0円(蓄電池から放電) |
| 深夜の充電コスト | 0円 | 7kWh × 18円 = 126円/日 |
| 差額(1日あたり) | 約119円の節約 | |
| 月間節約額 | 約3,570円 | |
| 年間節約額 | 約43,000円 | |
上記はあくまでシミュレーションですが、年間4万円以上の節約が見込めるケースもあります。太陽光発電と併用すれば、さらに節約効果は高まります。
深夜電力だけで蓄電池の元を取ろうとすると回収に時間がかかりますが、太陽光発電との併用や停電対策の価値も含めて総合的に判断するのがおすすめです。
節約効果を最大化する5つのコツ
コツ1:電力プランを見直す
蓄電池を導入したら、時間帯別の料金プランに切り替えるのが基本です。深夜と昼間の料金差が大きいプランほど、蓄電池の節約効果が高くなります。各電力会社のプランを比較検討しましょう。
コツ2:太陽光発電と組み合わせる
太陽光発電がある家庭では、日中は太陽光の電力を優先的に使い、余った分を蓄電池に充電します。夕方〜深夜は蓄電池から放電し、深夜に安い電力で再充電。このサイクルで電力会社からの購入量を大幅に減らせます。
コツ3:HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を活用する
HEMSを導入すると、家庭内の電力使用状況をリアルタイムで把握でき、充放電の制御をより細かく行えます。電気の「見える化」により、無駄な消費にも気づきやすくなります。
コツ4:季節に応じて設定を調整する
夏と冬は冷暖房で電力消費が増えるため、蓄電池の充放電パターンも変わります。季節ごとに設定を見直すことで、年間を通じて効率的な運用が可能です。
コツ5:充電上限を適切に設定する
蓄電池を毎日100%まで充電すると劣化が早まります。80〜90%の上限設定にすることで、蓄電池の寿命を延ばし、長期的な節約効果を高められます。
深夜電力活用の注意点
時間帯別プランのデメリットも理解する
時間帯別料金プランは、深夜は安い代わりに昼間の単価が通常プランより割高になるケースがあります。蓄電池なしで時間帯別プランに変えると、かえって電気代が増える可能性もあるため注意が必要です。
蓄電池の充放電ロスを考慮する
蓄電池には充放電時のエネルギー損失(変換ロス)があります。一般的に5〜10%程度のロスが発生するため、充電した電力のすべてを使えるわけではありません。
蓄電池の容量と生活スタイルのバランス
蓄電池の容量が生活スタイルに合っていないと、電気が足りなかったり余ったりしてしまいます。導入前に1日の電力消費パターンを把握しておくことが大切です。

深夜電力と蓄電池を組み合わせるのに向いている家庭
深夜電力と蓄電池の組み合わせが特に効果的な家庭のパターンを紹介します。
オール電化住宅
オール電化住宅はもともと時間帯別料金プランで契約していることが多く、深夜と昼間の料金差が大きいため、蓄電池との相性が抜群です。エコキュートの沸き上げと蓄電池の充電を深夜にまとめることで、効率的にエネルギーコストを削減できます。
日中不在の共働き世帯
日中に太陽光発電の電力を使い切れない共働き世帯では、余剰電力を蓄電池に貯めて夕方〜夜に使うことで無駄を減らせます。帰宅後の家事に必要な電力を蓄電池でまかなえるのは大きなメリットです。
電力消費が夕方〜夜に集中する家庭
子どものいる家庭など、夕方以降に電力消費が増えるパターンでは、深夜に充電した電力を夕方〜夜のピーク時間帯に放電することで効果的に電気代を抑えられます。
よくある質問(Q&A)
Q. 深夜電力で充電して昼間に使うだけで元が取れますか?
A. 深夜電力の活用だけで蓄電池の元を取るのは難しい場合もあります。太陽光発電との併用や停電対策としての価値も含めて、総合的に判断するのがおすすめです。
Q. 深夜電力の料金プランはどなたでも申し込めますか?
A. 電力会社によっては、オール電化住宅向けなど条件がある場合もあります。お住まいの地域の電力会社に確認してみてください。新電力会社でも時間帯別プランを提供しているところがあります。
Q. 蓄電池のグリッドチャージ機能はどのモデルにもありますか?
A. 近年の家庭用蓄電池にはほとんどのモデルに搭載されています。ただし古いモデルや一部の機種では対応していない場合もあるため、購入前に確認しましょう。
Q. 深夜電力で充電すると蓄電池の寿命に影響しますか?
A. 毎日の充放電は蓄電池の使い方として想定された範囲内です。充電上限を80〜90%に設定し、過放電を避ければ、寿命への悪影響は限定的です。
Q. 賃貸住宅でも深夜電力と蓄電池は使えますか?
A. ポータブル蓄電池であれば賃貸でも使用可能です。ただし、大型の据え置き型は工事が必要なため、大家さんや管理会社の許可が必要になります。深夜電力プランへの切り替えは電力会社への申込みだけで可能です。
Q. HEMSがなくても深夜電力の活用はできますか?
A. HEMSがなくても、蓄電池本体のリモコンやスマホアプリで充放電のスケジュール設定は可能です。ただしHEMSがあれば家全体の電力使用状況を「見える化」できるため、より効果的な節電ができます。
まとめ
蓄電池と深夜電力の組み合わせは、電気代節約の有効な手段です。安い深夜電力で充電し、高い昼間に放電するというシンプルな仕組みながら、年間数万円の節約につながる可能性があります。
節約効果を最大化するには、時間帯別料金プランへの切り替え、太陽光発電との併用、HEMSの活用がポイントです。まずは契約中の電力プランを確認し、蓄電池の導入シミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。
参考:エコでんち 深夜電力と蓄電池で電気代を節約する方法|エコ発電本舗 蓄電池は深夜電力充電だけで元が取れない?|タイナビ蓄電池 夜間電力で電気代を節約



